The Catcher in the Rye
すごく有名な気がするけど読んだ事がない本、「ライ麦畑でつかまえて」を読みました。2003年に村上春樹が翻訳したやつで名前も「The Catcher in the Rye」となってます。
- 作者: J.D.サリンジャー,村上春樹
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2003/04/11
- メディア: 単行本
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主人公のホールデン・コールフィールドの性格が良いです。あまのじゃくで身勝手、孤独で寂しがり、主張はあってもそれを表現出来ない。そんな性格。読んでてどんどん引き込まれていっちゃいました。ホールデンにヒロイズムを感じる人が多いというのも分かる気がします。たいした事が出来るわけでも夢があるわけでもなく世の中をインチキ呼ばわりする姿は確かに最高です。この貧弱さ、ついつい自分を重ねてしまいますね。
読んでて「こういう本が読みたかったんだ」って思っちゃいました。そういうのもあってか、「こういう映画が観たかったんだ」って思ったビッグ・フィッシュが思い起こされました。全然ストーリーとか違うんだけど、「語りかけてくる」という点では同じかも。話の内容は、疎外感や退廃を感じさせるという点で「限りなく透明に近いブルー」(同じ村上でも"龍"の方っすね)に似た雰囲気を感じて、若者の退廃というテーマは普遍的だなって思いました。
Wikipediaの解説なんかを読んだりすると、その過激さゆえに発禁処分まで受けたりしてるというけど、全然そんな過激さは感じませんでした。そこら辺は村上春樹の訳や時代的なものがあるのかな。むしろ思春期的なさわやかさの方が強く感じられるくらい。ホールデンがずっと語りかけてくる文体には中毒的な読書感があって止められませんでした。ハマりすぎたらいけませんね、これ。